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ダークエンペラーズとの戦いにあたって、過去話が出てくることを祈りつつ、
もし過去話が出た場合、妄想に支障をきたすので今のうちにあげてみる。
(ライは原作の設定になるべく忠実になるように心掛けているので。)
円堂と風丸が1年生の時のお話です。カプ要素あり。
私の中で円堂と風丸は小学校の時に出会っている設定なので(←)、
そんな感じの言葉も出てきますがまぁその辺は受け止めてくださるとうれしいです。
そういうわけで、読んでやってもいいぞ!という方は追記よりどうぞ。


「来週の日曜、陸上の試合なんだ。見に来ないか?」

鉄塔広場での自主練習を終えた帰り道、ちょうど陸上部の練習が終わった風丸と鉢合わせた。
返答しない俺に、首を傾げる風丸。長い前髪がさらりと揺れる。

「あ、もしかしてサッカー部も練習あったか?悪いな、それなら、」

「いや、ないから行くよ!」

あったわけではないんだ。練習しようかな、とは思っていたけれど。
でも、1年生で試合に出してもらえるって、すごいことだと思うから。
しかも俺は風丸が走っているところを、滅多に見たことがなかったから。
(部活の時間は互いに互いの部活のメニューをこなしていたから当然だ。)

「そうか?なら良かった」

「えっと・・どこでやるんだ?」

「ん?近くの陸上競技場だよ、5駅くらい先の」

「そっか!じゃあ近いな!」

楽しみだ、と笑うと、風丸は円堂が見に来るんだったら勝たないとな、と笑った。



* * *



日曜日、俺は中段あたりの客席に一人で座っていた。
当日わかったことだけど、風丸は短距離走に出るそうだ。
サッカーの試合と違って、短距離はほんの十数秒の世界。
この広いトラックを走る風丸は、どんな世界を見ているんだろう。

「・・あ、出てきた」

オレンジ色のタンクトップに白いズボン。そこから伸びるすらりとした足。
準備運動をしている風丸の一挙一動に、空色のポニーテールが靡く。
前の客席は、応援するチームメイトでいっぱいだった。
風丸の周りにも、他校の選手が色とりどりのユニフォームを着ている。
その中でも特に目立って、風丸は凛とした、真剣な表情だった。

「(俺、あんな真剣な風丸、今まで見たことない)」

隣で笑っている風丸、苦笑する風丸、無茶をしたら叱ってくれる風丸。
考えてみたら、そのくらいしか浮かばない。いつも楽しげに笑ってた。
体育の時間にタイムを計ったことがあったけど、あのときだってこんな表情しなかった。
すぅ、と大きく息を吸い込んで、立ちあがって、肺に入れた呼吸を腹の底からいっぱいに。

「風丸ー!頑張れー!」

びくり、と一瞬肩を震わせて、風丸はこちらを見た。
前の客席に座っている、他の学校の生徒達も驚いてこちらを振り返っている。
親指を立ててにっこりと笑えば、風丸は同じく親指を立てて笑い返した。
口の形が小さく「ありがとう」って言ってたのは、気のせいじゃない。

『選手は、位置についてください』

放送が入る。審判が選手たちの横に立ち、白いゴールテープがトラックの内側で準備されている。
風丸は他の選手と混じって、クラウチングスタートの態勢をとっている。
体育の時間に教えてもらったそのままの、背筋の伸びた綺麗な姿勢だった。

『位置について、よーい、』

パン、とピストルを撃つ音が空気を割った。一斉に走り出す選手たち。
前だけを見て走る、風丸の茶色い瞳。風にゆらゆらと揺れるポニーテール。
それはまるで、勝利の旗を掲げてるみたいに風を切って。
風みたいだった。早くて、一瞬でも見逃したくなくて瞬きするのも惜しいような。
そして一瞬のような十数秒の後、白いゴールテープを、風丸が、切った。

「よっしゃー!」

思わず、立ち上がって喜んでいた。俺のことじゃないのに。
ゴールした、その瞬間に風丸の髪を縛っていたゴムが解けて取れた。
肩口よりも長い髪が、走ったその余韻でふわりと風に舞う。
それがすごく綺麗でキラキラしていて、俺はそんな風丸につい見とれた。

「円堂!」

名前を呼ばれて、ようやく気がついた。客席の俺に向かって手を振っている。
長い髪がサラサラと、その風丸の動きに合わせて揺れた。
本当に嬉しそうな笑顔、キラキラと輝いた瞳で、こちらに駆けてくる。

「俺、勝てたんだ。円堂が見に来てくれたおかげかな」

「何言ってんだよ、風丸の努力の成果だよ!おめでとう風丸!」

「そうかな、でもあの応援、嬉しかった。ありがとう」

それだけ言って、風丸は陸上部の先輩達のところへ行ってしまった。
帰り、一緒に帰ろう!待っててくれ!って、こちらに手を振りながら。



* * *



一日中掛かった陸上の試合は終わって、もう夕暮れ時。
駅から家まで、歩く途中。住宅街に夕暮れの光は俺たちの影を長く伸ばす。

「どうだった?今日の試合」

「すごかったぜ!」

本当に、心の底からそう思ったからそう言ったのに、風丸は苦笑した。
続きを促すようにそのまま黙っているから、思ったことを続けた。

「速かった、すごかった。誰よりも速くて、誰よりもキラキラしてて綺麗だった」

「ははっ、それじゃよくわからないよ、円堂」

「だって、本当にそう思ったんだ!」

「そっか。誰よりも速くて誰よりも綺麗、ね」

おかしそうに笑う風丸。だって、あの時走っていた誰よりも、風丸は綺麗だったんだ。
真剣な表情をして、髪を靡かせて、風みたいに駆け抜けていく、あの風丸は。

「髪ゴム、結ばなくてもいいのに」

「なんで?」

「そっちのが、綺麗だ」

「綺麗だ綺麗だ、って円堂・・俺は男だぞ?」

そう言って風丸は苦笑する。だって仕方ないだろ、風丸は誰よりも綺麗だったんだ。
初めて会った小学校のクラスでだって、今日の陸上の大会でだって。
誰よりも綺麗で誰よりも俺の隣にいてくれた、大好きな。

「関係ないよ、そんなの」

「うーん、まぁ、さすがにもう慣れたけどな?」

「あ、そうだ。1位だったから何かご褒美でもやるよ!」

「ご褒美?ははっ、そんな大げさな・・いいよ別に、」

そっと、額にキスを落とす。突然のことに、風丸はぎゅっと目をつむった。
再び開いた瞳はどこか期待したような感情を湛えて揺れている。

「・・こっちにして、円堂」

「・・・ん」

唇を指さす風丸。照れて少し赤くなった頬が可愛い。
(夕日に照らされて分かりづらいのが、少し残念だけれど。)
でも風丸の期待に応えてそっと、次は唇にキスを落とした。
夕日に照らされて伸びた二つの影が、視界の端で重なった。











あとがきという名の懺悔

あああああ可愛い可愛い何この幼馴染ホント可愛いハァハァ←
幼馴染ってなんて良い響きなんだろうね・・ホント幼馴染おいしいよ。
走る描写が書きたかったんですけど、円堂視点にしたからどうしようもない罠。
・・とにかく、走ってる風丸さんはキラキラしてるんですよ。
髪が靡くところも書きたかったんだ、だがしかし「風になりたい」は使っちゃダメ。
これはもう完全に最初から最後まで計画して書きましたよ。
キャプテンは相変わらずタラシです。ついでに言えば風丸さんは乙女です。
宮坂といると男前なんですが、キャプテンといると乙女になる罠。
一応、1年生設定なので宮坂はいないのですよ・・うん。
そういうわけで、ほのぼの円風ハァハァ幼馴染いいよ幼馴染っていうお話でした←
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