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これの続き。暇つぶし綱音シリーズ6話にして完結です!
わーい!予定通りの話数で終わらなかったんだぜー!←
てか初めて…長編完結させました……←←
いつも途中で飽きちゃうんだ…(おま
まあこれは元々が電車内の暇つぶしだったからな…。
というわけで読んでやってもいいぞ!という方は追記からどうぞ!


雷門中との試合ができるかもしれない、その事実に盛り上がったノリのいい部員達。
いつもよりもずっと長く練習をしたその帰り、更衣室を出たら綱海が笑顔で立っていた。

「待ってたぜ、音村。一緒に帰ろうぜ!」

「…?別に構わないけれど…どうしたんだい、突然」

「いや、サッカーのこととかもっと聞きてえからさ」

「…ふーん?まあいいけどね」

サーファーだからか、やたらと早く着替え終わった綱海は先に帰ったと思っていたが、
どうやら僕の早とちりだったらしい。それにしても何故僕を待っていたのだろう。
僕より先に着替え終わって更衣室を出たメンバーなら他にもいたのに。

「…で?」

「ん?何がだ?」

「僕にサッカーのことを聞きたいんじゃないのかい?質問があるなら答えるけど」

着替えのために一度外したヘッドホンを、掛けていた首から再び頭に装着した。
会話が交わせる程度に音量を調節して曲を流すと、綱海はどこか気まずい様子で言った。

「まず俺、サッカーのルールがわかんねえんだ。9人でやるんだったっけか?」

「…それは野球だよ、綱海」

思わず溜め息を吐いた。コイツが3年生で僕の1つ上だなんて嘘だろう?
歩きながらルールを説明していけば、ふーん、と気のない返事。

「ちゃんと聞いてるのか?」

「聞いてるって」

「…理解はしてるのか?」

「うーん…よくわかんねえ」

大体、俺は体で覚えた方がわかりやすいんだよな、と続ける。
じゃあ僕の今までの説明は何だったんだ、と肩を落とす。
ヘッドホンから聞こえる曲のボリュームを上げれば、綱海がこちらを向いた。

「音洩れひでぇぞ?ボリューム下げたほうがいいんじゃねぇの?」

誰のせいだ、とは返さずに、僕は黙って足を早めた。

「悪ィって、怒るなよ音村」

腕を掴まれた、振りほどくことなく僕は立ち止まる。
夕日が沈む地平線、オレンジ色に染まる海、寄せては返す波の音。
振り向けば、真っすぐにこちらを見る綱海の顔が夕日に照らされていた。

「…何を必死になってるんだい、怒ってないよ」

「ん、あぁ、ならいいんだけどよ」

そうして綱海は僕の腕を掴んでいた手をようやく離す。
温かな体温が離れたことへどこか喪失感を覚えながら、
僕は砂浜の方へ降りていった。綱海は無言で僕のあとをついてくる。

「…興味持ったのは、雷門と会ったからなんだね」

「ん?おぉ、そうなるかな」

「サーフィンは?もうやらないのかい?」

「いや?サッカーも楽しいけど俺はサーファーだからな」

「そうか、やっぱり君はサーファーなんだね」

「おうよ!」

ニカッと笑った綱海の笑顔はやはりどこか眩しくて、
(それはもしかしたら夕日が照らしていたせいなのかもしれないけれど、)
しかし思わず目を伏せた僕の手を、綱海がそっと繋ぐ要因はわからなかった。

「…綱海?どうしたんだ?」

伏せた目線を上へ向けると、ひどく真面目な表情の綱海。
濃い灰色の目と視線がかちあって、何をしようとしているのかわからなくて首を傾げた。
繋がれた手が離れて、ヘッドホンを外された。漏れた音と波の音がどこか遠い。
今聞こえている規則的なこの音は、きっと心臓の鼓動。

「今だけは、音楽じゃなくて俺の声を聞いてくれ」

「綱海?一体何を…」

   好きだ、」

引き寄せられて、抱きしめられて、耳元で囁かれた。
思わずフリーズした頭に響いていたのは、ただ囁かれた告白だけ。
スッ、と密着していた身体が離れたかと思うと、少し頼りなさげな綱海の表情。
普段、にーにと呼ばれて小さな子供の憧れの的だとは思えないくらいの。

「音村は?俺のことどう思ってる?」

そう問われて、頭の中に流れていった映像は綱海の眩しい笑顔ばかりだった。
素直になれない自分、素直な綱海、目映いばかりのあの笑顔が、僕は。
その考えに至って頬が熱くなる。僕は努めて冷静な声音を作って言った。

「…おかしいね」

「ん?」

「いつもより2ビート、鼓動が早いんだ。…君の、せいだよ」

そっと見上げた綱海の表情はぽかんと口を半開きにしたままで、
やがて僕の台詞を彼の思考回路がようやく解析し終わった微妙なタイム・ラグの後、
綱海はやはり僕の好きなあの眩しい笑顔を浮かべて僕を抱きしめたのだった。

「たまには、ヘッドホンを外すのもいいね」

「ん?何がだ?」

「波の音も、君の声も、僕らの鼓動も、いつもより近く聞こえるよ」

「…そっか。俺も、ちゃんとお前が俺の話聞いてくれてるって分かっていいな」

「…外してあげてもいいよ」

「ん?」

「たまになら。二人きりの時になら、外してあげてもいいよ、ヘッドホン」

「…へへっ、サンキュ」

夕日の沈む地平線を眺めて、そっと手を重ねる。
繋いだ手のひらから微かに伝わる綱海の鼓動は、
初めて出会ったあのときのように、海の波と同じリズムを刻んでいた。











あとがきという名の懺悔

うわあああようやく終わった…!初めて長編を書き終えた…!(ぇ
まあ、なんだかんだで電車内の暇つぶしから始まった物語でしたが、
少しでも楽しんでいただけたらいいなあと…。
つーかこれ待ってる人いるのか…?←
あ、ぴくしぶに全部まとめてあげようと思ってるので、
ブログの記事6つも飛んでまとめて読むのめんどくせーよ!
という方は、どうぞぴくしぶでまとめたやつをどうぞ。
ここまで付き合って全部読んでくださったかた、ありがとうございました!
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