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本格的にレポート&テスト週間になるので、せめてと思って書きためたもの上げてみる。
CP要素ない、っていうよりはどっちかっていうと源→鬼な感じのほぼ源田の独白。
ちなみにこれののタイトルは「紅を纏う背に思いを馳せる」です。
実はそのまんまなんですけどね。この話は結構気に入ってます。
書きたいことだけいっぱい詰め込めたから(笑
ところでこの小話、いつかマンガにしたいと思ってるんだが、
誰か私の代わりに描いてくれないだろうか・・・・(おま
というわけで読んでやってもいいぞ!という心の広い方は追記よりどうぞ!


紅いマントが視界の真ん中で翻った。一瞬だけ垣間見える背番号10番。
40年間無敗を誇った帝国学園サッカー部、その司令塔でありキャプテン。
学園中から信頼と期待を、そして学園の誇りを肩に背負っていた、天才ゲームメイカー。
久しぶりに見たその後ろ姿に見惚れて、その背中が眩しくて。
思わず涙がこぼれそうになったけれど、それをごまかすように自分の頬を軽く叩いた。



* * *



『・・・源田、俺だ』

聞きなれた着信音、帝国サッカー部メンバー指定のものだ。
急な連絡かもしれないと思い、相手も確認せずに出たら思わぬ人物からだった。
凛とした声が鼓膜を震わす。低めの、あまり抑揚のない冷静な声。
(未練がましいかもしれないが、俺の携帯では鬼道が帝国メンバーにカテゴライズされている。)

「鬼道か、どうした?キャラバンに参加しているんじゃ・・」

『あぁ、今東京に帰ってきていてな。みんなは元気か?』

「あぁ、もちろんだ」

『そうか・・お前と、佐久間の怪我は?』

「俺はもう大丈夫だ、サッカー出来るほど回復したぞ」

『それは良かった・・・佐久間は?』

「まだ、少しリハビリに時間がかかるらしい」

『そう、か・・・』

安心と不安と、それからほんの少しの後悔が入り混じった、吐息交じりの声音。
鬼道は、案外表情や声に感情が出やすい。電話越しでも想像がつくぐらいに。
恐らくほっとしたような、どこか安心したような柔らかな微笑を浮かべているのだろう。

「だが、もうギプスも外れたし、もうすぐサッカーしてもいいんだそうだ」

『そうなのか・・良かった』

「あぁ。それで、突然どうしたんだ?」

『あ、あぁ・・そうだな、単刀直入に言おう。頼みがある』

「頼み?」

・・珍しいこともあるものだ。鬼道は基本的に他人に頼ろうとしない。
それが、わざわざ俺に電話をかけてくるなんて。きっとよほどのことなのだろう。

『あぁ。エイリア学園を倒すのに新しい必殺技を開発したいんだ』

「・・それで?」

『新しい必殺技の練習がしたい。お前たちの力が必要なんだ、手伝ってくれないか』

・・これが。他人に頼るということを鬼道が覚えたのがもしも、雷門に行ったからなのだというなら。
それならばきっともう、何かを押し込めるように鬼道はサッカーをしてはいないのだろう。
笑顔の仲間に囲まれて、頼り頼られながら、肩を並べてサッカーをしているのだろう。
もうきっと、鬼道は帝国には帰ってこない。同じチームではプレイできない。
けれど、頼ってきてくれた、その事実だけで嬉しかった。だから、二つ返事で頷いた。

「もちろんだ。俺達にできることなら何でも言ってくれ、力になるから」

『・・・頼もしいな』

「当然だ。帝国は、お前のもう一つの居場所だからな」

『ッ・・・』

「だから、できる限り連絡寄越せよ、佐久間が暴れ出すから」

『想像できるのがまたなんだか微妙な感じだな・・』

「それだけ一緒にいたからな」

『・・そうだな』

そして肩を竦めて苦笑する。ほら、手に取るように見えないはずの鬼道の表情が分かる。
・・・そうだな、そうやって分かり合えるくらい、俺達は一緒にやってきたんだ。

「いつ来るんだ?」

『明日だ、急にすまないな・・・』

「いや、構わないさ。今から俺が帝国メンバーに連絡回すよ」

『あぁ、・・よろしく頼む』

「それじゃあな、鬼道。また明日」

『あぁ、明日な』

電話が切れた。・・何を悲しいと思っているんだろう、俺は。
明日、会えるっていうのに。鬼道に、帝国のグラウンドで。
楽しみにしている、心が躍っているのがわかる。今絶対、俺ニヤけてる自信がある。
とにかく連絡しなければ、と思い立ち、まずは佐久間の電話番号を電話帳から呼び出した。



* * *



「綺麗な、紅だ」

新しい必殺技はデスゾーン2というらしい。前方で練習する円堂と土門、そして鬼道。
土門と鬼道の帝国ユニフォーム姿は久しぶりに見た、大分前に思えるのは気のせいだろうか。
回る、シュートをする、パスをする、指示を出す、張り上げる声、凛としたテノール。
動く度揺れる特徴的なドレッドヘア、それと共に靡く赤い紅いマント。
その下に垣間見える背番号10番、俺達の、帝国の司令塔、天才ゲームメイカー。

「帝国の、天才ゲームメイカー・・・か、」

もう、帝国ではないけれど。今は、帝国のユニフォームを着て紅いマントを翻している。
鬼道の指示の通りに動けば、ほら、雷門の守備を抜けて洞面から寺門にパスが通った。
まるで毎日一緒に練習していたかのように正確なゲームメイク。

「・・会わなくても繋がってる、か?さすがにそれは恥ずかしいか・・・」

けどまぁ、きっとそれも嘘じゃないんだろうな。だって実例がここにあるんだから。
そう思いながら俺は、グローブを嵌めた拳と手のひらを叩き合わせた。
気合いを入れろ、俺は帝国のゴールキーパーだ。いくら練習とはいえ本気でやらなければ。

「だってそうだろう?せっかくお前が指示を出すんだからな、帝国の天才ゲームメイカー」

ゴール前から見るフィールドの紅は、太陽の光も相俟ってさらに眩しく見えた。
(駆けるその背中が、指示を出す声が、お前の全てが、俺にはとても眩しく見えるよ、鬼道。)










あとがきという名の懺悔

・・・ただの青春・・に見えなくもない・・ような・・源鬼・・?←
帝国でデスゾーン2の練習をする話があるじゃないですか、アニズマで。
私、あの話が大好きなんですよね・・鬼道さん回は本当にはずれがないよね。
書きたかったのはただ、源田がひたすら帝国鬼道さんの話をするってそれだけ。
紅いマントが翻る、それがGKである源田の視界の真ん中なんですよ。
(だって、帝国の鬼道さんはMFの真ん中にいるんだから源田から見たらきっとそうなる。)
その眺めはすごく綺麗で壮観だと思うんですよ、GKだからこその特権。
信頼できる仲間の背中が前に立ちはだかる、その中心で風に翻る紅。
それを源田に語っていただいた。何これ自分だけが楽しい^q^
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